ユネハNavi!
おいしいお店の情報や気になるアイテムのあれこれをチェック&リリース。
古典芸能

菅原伝授手習鑑、あらすじは? 寺子屋までのお話を解説!【にっぽんの芸能】

 

こんばんは、管理人の悠木です。

5月11日放送の「にっぽんの芸能」では、

歌舞伎作品「菅原伝授手習鑑 寺子屋」が放送されますね。

例によって例のごとく、「菅原伝授手習鑑」の長い長い本編の中から

抜粋されて上演される今回の「寺子屋」。

一体、全体のお話はどうなっているのか?

「寺子屋」にいきつくまでに何があったのかなど、

丁寧に紹介していこうと思います!

(私自身古典芸能勉強中の身ですので、

間違いなどありましたらご指摘いただければとても嬉しいです)

 

スポンサードリンク
 

 

 

登場人物

 

出典:wikipedia

 

「寺子屋」に出てくる重要な人たち

 

武部源蔵(たけべげんぞう) 

寺子屋で書を教えている浪人。

もともと菅丞相に仕えていて、書の弟子でもあったが

当時腰元として菅丞相の妻に仕えていた戸浪と

恋仲になり、勘当された。今は貧しい暮らしながらも

寺子屋で子供達に書道を教える先生をしている。

「寺子屋」以前の段(筆法伝授の段)で、勘当されてもなお実直に

書の道を歩み、子供達に書を教えている姿勢や

衰えていなかった書の腕を評価され、

菅丞相から「菅家筆法」という

秘伝の筆法(書道の極意)を伝授されています。

 

戸浪(となみ) 

武部源蔵の妻。元は菅丞相の家に仕えていた腰元だったが

のちに夫となる源蔵との恋仲が露見し、

破門された源蔵とともに屋敷を追われてしまった。

 

松王丸

菅丞相に大恩のある三兄弟の次男。

兄弟の中では知恵の回る男という役回り。

 

 

「菅原伝授手習鑑」物語開始以前のこと

 

あるところに、四郎九郎という名前のお百姓がおりました。

彼に三つ子が生まれると、とある身分の高い人が

「三つ子はとても縁起がいいから」と

それぞれ自分や、まわりの身分の高いひとたちのもとで働けるようにしてくれました。

 

それが菅丞相(かんのしょうじょう)、

菅原道真がモデルの、本作の重要人物です。

このお話では全編通して「善」として描かれています。

(史実にあった、藤原時平のたくらみにより

菅原道真が九州の大宰府に左遷された事件も、この物語に織り込まれています)

 

物語の中では「道真様」とは呼ばれず、

菅丞相(かんのしょうじょう)、しょうじょうさまと呼ばれています。

菅丞相は、三つ子の父である四郎九郎には、梅・松・桜の樹を与え

その樹の世話や下屋敷(今で言う別荘)の管理を一任します。

丞相に授かった三本の木にちなんで、

三つ子はそれぞれ「梅王丸」「松王丸」「桜丸」と名付けられました。

丞相さまは三人の「烏帽子親(名付け親)」というわけです。

 

もともと、ただの百姓であった四郎九郎は、

丞相から仕事を与えられたことでとても豊かになり、

三人がそれぞれ成長した今では隠居して静かに暮らしています。

 

70歳のお祝いに「白太夫」と改名したので、

本編では「白太夫」と呼ばれることの方が多いです。

 

また、三つ子が丞相から授かった仕事は舎人(とねり)。

牛車の牛飼いです。牛車は身分の高い人の乗る車なので、

今で言うなら政治家の専属運転手ですね。

身分は低いものの、貴人のすぐそばで仕事をする役職です。

 

地方の百姓を父に持つ三つ子がこんな場所で仕事をできるのも、

父・白太夫が田舎で静かに暮らせているのも、

それぞれ素敵なお嫁さんをもらえたのも、

すべては丞相さまのお引き立てのおかげ。

家全体で丞相さまに大恩のある一家というわけです。

 

さて、丞相さまは時の右大臣な訳ですが、

丞相さまを邪魔に思っている存在がいました。

左大臣の藤原時平(ふじわらのしへい)です。

モデルはもちろん藤原時平(ときひら)。

作品内で「しへいさま」という単語が出てきたら

彼だなと思ってください。この作品では悪役です。

病気がちな天皇に代わって覇権を握ろうとしており、

そのために邪魔になる丞相さまを失脚させようと

いろいろに暗躍しております。

 

 

「寺子屋」に至るまでのあらすじ

 

上演されることはほとんどありませんが、

「菅原伝授手習鑑」のいちばん最初の段「大内の段」では

大陸からの使者である僧侶が

「皇帝が日本の帝の絵姿を求めているので、絵を描かせてほしい」とやってきた時、

病気で表に出られなかった天皇に代わって

時平が「私が絵のモデルになろう」と提案するシーンがあります。

そこを右大臣である丞相さまに諌められ、

逆に「いまちょうど天皇の見舞いに斎世親王(ときよしんのう・天皇の弟)が来ているから、

彼をモデルに絵を描いてはどうか」と提案。

帝自身もその意見に同意します。

 

このシーンで、時平の黒い野心のありさまと

丞相さまの聡明さ、天皇の弟・斎世親王の紹介まで済ませているわけです。

時平が丞相さまを忌み嫌うわけもここから推察できますね。

天皇が病気の間に自分がこれから天下を取ろうとしても

丞相さまに邪魔されるだろうと予想できるからです。

 

なんとかして丞相さまを失脚させたい時平。 

果たしてそれは、のちに成功することになります。

 

場面は変わって加茂堤(かもづつみ)の段。

ここでは加茂神社にて、天皇の病気平癒を願う行事が行われています。

それぞれの主人につき従って、車のそばで主人を待っているのは

梅王丸、松王丸の二人でした。

 

先程、白太夫の息子である三つ子はそれぞれ舎人になったと書きましたが

仕えている主人はそれぞれ違います。

梅王丸は菅丞相さま。松王丸は藤原時平。

桜丸は斎世親王(天皇の弟)を主人にもっています。

 

加茂堤の段では、天皇の病気平癒を願う行事に参加した

菅丞相の代理・左中弁希世(さちゅうべんまれよ)

時平の代理・三善清貫(みよしのきよつら)、

そして斎世親王について、牛車の脇で三つ子が集結します。

「今度父さんの70の祝いに、嫁子供連れて集まろうって話が出てる」

と話すシーンもあります。

完全にタクシーの運ちゃんが駐車場で雑談してるノリです。

末っ子の桜丸は、兄二人が互いの主人についてやいやい話しているところに

合流する形で現れます。そろそろ式典も後半に差し掛かってきたし、

呼ばれる前に様子を見に行ったらどうだ、なんて言って

二人を追い払ってしまう桜丸。どうしてかというと、

彼にはここで済ませなければならない仕事があったからです。

 

1 2